かつて平安京であった京都には歴史の古いお寺が数多くありますが、その中でも最も歴史が深いとされているのが右京区にある広隆寺です。実は、平安京遷都よりも前から京都に存在する京都最古のお寺なんです。今回はそんな広隆寺の建立についてや、見どころ、アクセスをご紹介します。
広隆寺はいつ創建されたの?
聖徳太子を祀るお寺として有名な広隆寺。その創建は623年と言われていますが、日本書紀によると603年とも記されていて正確なところはわかっていません。いづれにせよ、推古天皇の時代に建てられた大変古いお寺です。
創建後に何度か焼失の被害にあっていますが、1165年の再建で建てられた講堂が広隆寺で最も古い建造物でその歴史の深さが伺えます。火災から免れた弥勒像や本尊など、国宝に指定された仏像が多数保管されています。
”太秦のお太子さん”の由来
広隆寺は「太秦のお太子さん」と呼ばれ親しまれてきたお寺ですが、それは聖徳太子と泰氏のゆかりのお寺という所からきています。推古天皇の摂政となった聖徳太子の側近泰河勝と深い親交があり、広隆寺は、聖徳太子を供養するために泰氏が建てたと伝えられているためです。
余談ですが、太秦の地名の由来は、泰氏が絹をうず高く積んで朝廷へ献上したところからきているそうですよ。
広隆寺の見どころ
広隆寺には数々の貴重な仏像や建物が残っており見所がたくさんありますが、その中からいくつか厳選してご紹介します。
聖徳太子像(本尊)
広隆寺の本堂(上宮王院太子殿)に祀られている本尊である聖徳太子像は、平安時代後期の作で聖徳太子の33歳の時の姿といわれています。
本尊は毎年11月22日のみ開帳され、この日しか見ることができない秘仏です
桂宮院(国宝)
1251年に再建されたと考えらる聖徳太子を祀る奥の院。八角円堂と呼ばれるユニークな八角形の建物です。
講堂(重要指定文化財)
1165年、火災からの再建、近年まで修復が繰り返されていますが平安建築の様式が残る数少ない建築物です。本尊に国宝の阿弥陀如来坐像と、その両脇に重要文化財の地蔵菩薩坐像と虚空蔵菩薩坐像が控えており、講堂の外から見ることができます。
国宝に指定されている仏像
・宝冠弥勒像と泣き弥勒像
広隆寺の起源ともいえる、通称「宝冠弥勒像と泣き弥勒像」と呼ばれる弥勒菩薩半跏像。
宝冠弥勒像は600年代に新羅の国王から贈られたと伝えられており、当時の日本では用いられていない赤松作り。広隆寺創建当初の本尊とされており、国宝第1号としても有名です。泣き弥勒像は7世紀末頃に日本で作られたものと考えられています。
2像とも霊宝殿に保管。
・阿弥陀如来坐像
840年頃の作。講堂の本尊として祀られています。
他にも千手観音立像、不空羂索観音立像、十二神将立像が国宝に指定されています。さらに重要文化財に指定されている仏像を合わせると数えきれないほど。そのほとんどが霊宝殿に保管されているので、広隆寺を訪れた際には霊宝殿もぜひ見ておきたいですね。
広隆寺へのアクセス
広隆寺への行き方をご紹介。嵐山駅の手前にありますので、嵐山観光と合わせて訪れるのもおすすめです。
電車を利用
JR山陰本線:太秦駅 下車、徒歩11分程
京都駅からアクセスする場合、駅から少し歩きますが乗り換えなしで行けるのでJR山陰本線の利用がおすすめです。
嵐電(京福嵐山本線):太秦広隆寺駅下車、すぐ
広隆寺へのアクセスで一番便利かつ有名なのがこちら。駅名の通り、すぐ目の前に広隆寺の楼門があるのでテンションがあがりそうです。
四条河原町(京都河原町駅)から行く場合、阪急京都線に乗り大宮駅で嵐電に乗り換えます。
バスを利用
「太秦広隆寺前」 下車、徒歩5分程
京都駅・四条河原町から:京都バス73・75・76系統などを利用
四条河原町から:市バス11を利用
地図で確認
広隆寺
京都府京都市右京区太秦蜂岡町32