岡寺・龍が封印された厄除け寺

岡寺のダリア 奈良


日本最初の厄除け寺として有名な奈良県の岡寺。正式な名称は「東光山龍蓋(とうこうざんりょうがい)」で岡寺、龍蓋寺(りゅうがいじ)と呼ばれています。悪竜を退治し池に封じたという伝承が残る神秘的なお寺です。今回はそんな岡寺の創建や見どころ、行き方などをご紹介します。

岡寺はいつ創建されたの?

山の上に建つ岡寺は景色もきれい

天智天皇の時代、義淵僧正が悪竜を退治して池に封じ蓋をしたことが寺名(龍蓋寺)の由来である岡寺。天武天皇の息子で27歳で早世した草壁王子の居室だった岡宮を、義淵僧正がもらい受けてお寺を建立したと伝えられています。このことから、正確な年は不明ですが、草壁皇子が没した689年以降、7世紀末頃と考えられています。

長い間荒廃していた時期がありましたが、江戸時代に再興され、現在残っている建物は主にその時代に再建されたものです。

義淵僧正ってどんな人?
悪竜を池に封じた伝説のある義淵僧正は、草壁皇子と共に岡宮で育ち、仏教が日本に広まり始めた7世紀から8世紀初頭に活躍した高僧です。民衆に仏教を広め東大寺の大僧正となった行基を始め道慈・道鏡ら、後世に名を遺す僧たちの師でもあります。8世紀末頃に造られたという義淵僧正座像は国宝に指定され、現在は奈良国立博物館に寄託されています。非常に精巧な像でその人となりが伝わってくるような写実的な彫像で一見の価値ありですよ。

岡寺の見どころ

本尊(重要文化財)

本尊が祀られている本堂も奈良県の文化財にしてされている

岡寺の本尊は、如意輪観音坐像は奈良時代に造られた高さ4.85mの巨大な仏像で、塑像としては日本最大の大きさを誇ります。塑像としては日本最大の仏像。伝承によりと、弘法大師が日本・中国・インドの土を持ってつくられた。これまで本尊だった金銅如意輪観音菩薩像を胎内に納めたと伝えらえていおり、国の重要文化財に指定されています。

この巨大な仏像を安置する本堂もとても大きく見ごたえのある建物で、1793年(1805年完成)に再建されたものです。

塑像とは?
日本最大の仏像といえば、高さ15mもある奈良の大仏様(東大寺)ですよね。あちらは銅と金の鋳造ですが、岡寺の本尊は塑像といって粘土で作って乾燥させた像で、塑像としては日本で一番大きな仏像となります。

仁王門(重要文化財)

岡寺に着いたらまず迎えてくれるのが、この仁王門。1612年建立で両脇に仁王像が立っていて圧巻の門構え。四隅上にはそれぞれ阿獅子・吽獅子・龍・虎がいるのは大変珍しい仕様だそう。

また、仁王門を入って本堂の手前にある楼門も1611年頃の建立と考えらえおり、こちらは奈良県の指定文化財。

四季の花手水

岡寺には約3000株のシャクナゲが植えてあり、4月~5月は境内が鮮やかなピンク色で埋め尽くされてとても華やかに彩られます。

境内の花や紅葉などを使った趣向を凝らした手水も見どころ。シャクナゲや紫陽花、ダリア、秋には紅葉などで飾られていて、撮影スポットとしても人気です。

また、GW期間中には天竺牡丹(ダリア)で埋め尽くされた「華の池」が登場します。(記事トップの写真)
6月には「あじさい回廊」も開催され毎年人気を博しています。

※西国三十三所観音巡礼で開催される「あじさい回廊」は西国三十三所観音巡礼の奈良県札所である岡寺、長谷寺、壺阪寺で毎年開催されています。

風光明媚な景色

山の中腹にある岡寺はその風光明媚な景色も見どころのひとつ

昭和61年に再建された三重宝塔からの景色。吊るされた琴まで復元しているのは全国でも大変珍しいそう

秋は紅葉の名所としても人気

岡寺へのアクセス

橘寺がある奈良県の明日香村は、古寺や遺跡がたくさん残る場所です。岡寺の近くには飛鳥宮跡や石舞台古墳があるので合わせて観光するのもおすすめです。

巨大な石を組んだ舞台のよう見えるので、石舞台古墳と名付けられた

公共交通機関を利用

近鉄「橿原神宮前」駅からバスで15分ほど

近鉄「橿原神宮前」駅:
橿原線、南大阪線、吉野線が利用できます。

橿原神宮前 東口バスターミナルから”赤かめ16号 飛鳥駅行き” に乗車  
「岡寺前」バス停下車、徒歩約7分

バス停の目の前に岡寺の鳥居があるので、そこをくぐって参道を真っ直ぐいくと岡寺の楼門にたどり着きます。途中、ところどころに喫茶店などもあるようなのでお参りの帰りに立ち寄ってみるもの良いかもしれませんね。

※近鉄吉野線に「岡寺駅」がありますが、岡寺駅からはバスやタクシーが出おらず、徒歩だと1時間近くかかってしまうのでお間違えのないようご注意を。

※本サイトに掲載されている内容は変更となっている場合があります。公共交通機関は、事前に時刻表などを調べてからご利用ください。

⇒奈良交通バス時刻表検索

⇒近畿日本鉄道時刻表検索

地図で確認

岡寺(龍蓋寺)
住所:奈良県高市郡明日香村岡806
お寺の公式ホームページ

タイトルとURLをコピーしました