今回は番外編として、天井絵(天井画、絵天井)や天井装飾が美しいお寺の数々をご紹介していきます。華やかな天井の世界をぜひ堪能してくださいね!
奈良県・橘寺
往生院の絵天井
橘寺の境内にある聖徳太子生誕の場所に建っているとされる往生院の天井は、現代画家が描いた260点の花の絵で埋め尽くされた天井は、華やかでまさに癒しの空間。橘寺では四季折々の花を愛でることができます。特に芙蓉は境内に150株以上あるので初夏~秋にかけて訪れてみるのもおすすめですよ。
往生院の天井画は、お寺で特別なイベントが開催されていない限り、拝観時間内でしたらいつでも見ることができます。
橘寺はどんなお寺?
奈良県明日香村にある橘寺は、聖徳太子生誕の地として有名なお寺です。伝承では606年に創建されたとされていて、寺には飛鳥時代の遺跡である二面石が残されている、とても古いお寺です。
橘寺へのアクセス
近鉄「橿原神宮前」駅からバスで30分ほど
橘寺 /Tachibanadera
住所:奈良県高市郡明日香村橘532
東京都・浅草寺
大師堂のタイル装飾天井
本堂の外陣天井に描かれた天女の天井画は、1957年に日本画家の堂本印象が描いたもの。龍の絵は川端龍子の作品です。日本の伝統的な和紙に、鉱物や貝殻、珊瑚などを砕いて作られた顔料で描かれている日本古来の伝統美術の傑作といえるでしょう。
浅草寺ってどんなお寺?
伝承では、628年に漁師さんが隅田川で観音像を発見してそれを祀ったことが始まりと言われています。浅草寺の表参道に商店が軒を連ねる仲見世通りは、境内の清掃をする代わりに参道で商売することを許されたことが始まりだそう。招き猫発祥の地とも言われていて、東京で一番観光客の多いお寺でもあります。
浅草寺へのアクセス
東京メトロ「浅草駅」から徒歩2分ほど
浅草寺 /Sensouji
東京都台東区浅草2丁目3−1
福井県・永平寺
傘松閣の絵天井
(@tshinozakiさんの投稿より)
144名の日本画家が描いた作品がびっしりと嵌め込まれた豪華な天井画は、圧巻のひとこと。5枚だけ動物が描かれた絵があり、全て見つけると願いが叶うと言われています。
永平寺ってどんなお寺?
福井県の名刹として有名な永平寺は、1246年に道元によって創建されました。現在も修行僧たちが厳しい修行を行っていることで有名で、参拝客はその様子を垣間見ることができそう。
永平寺へのアクセス
越前鉄道永平寺線「永平寺口」下車、永平寺線バスで15分ほど
※福井駅東口からダイレクトバスが出ているので、それを使えば乗り換えなしで永平寺へ行くこともできます。
永平寺 /Eiheiji
福井県吉田郡永平寺町志比5−15
香川県・郷照寺
大師堂のタイル装飾天井
弘法大師(空海)が厄除け祈願を行ったとされ、現在も「厄除けうたづ大師」として親しまれています。厄除け祈願を行う場である大師堂の天井は、草花をモチーフとしたタイルが埋め込まれている珍しい装飾は一見の価値ありですよ。
郷照寺ってどんなお寺?
香川県宇多津町にある郷照寺は、725年に行基が開山したとされる大変古いお寺です。弘法大師(空海)が厄除け祈願を行ったとされ、現在も「厄除うたづ大師」として親しまれています。また、郷照寺は四国八十八か所のお寺のなかで随一の見晴らしが良いことで有名で、境内から瀬戸大橋を臨む瀬戸内の景色を眺めることができます。
郷照寺へのアクセス
JR予讃線「宇田津駅」より徒歩20分ほど
郷照寺 /Goshoji
香川県綾歌郡宇多津町山下1435(四国八十八ヶ所霊場 第78番札所)
三重県・専修寺
国宝、御影堂の天井装飾
この投稿をInstagramで見る
(専修寺の公式インスタグラムより)
国宝に指定されている御影堂は、畳が780枚も敷かれているとても大きなお堂です。内装も天井から襖、欄間など細部の装飾まで豪華で圧倒されること間違いなし。
専修寺ってどんなお寺?
1225年浄土真宗の開祖・親鸞聖人が創建した寺院で、今も親鸞聖人の教えを受け継ぎ、そのお骨を守っているお寺でもあります。真宗高田派の本山で、地元では「高田本山」と呼ばれて親しまれています。2017年には、御影堂と如来堂が国宝に指定されています。
専修寺へのアクセス
JR紀伊本線「一身田駅」から徒歩8分ほど
専修寺 /Sensyuji
三重県津市一身田町2819
広島県・大聖院
大聖院・遍照窟の灯篭天井
大聖院の大師堂地下にある遍照窟は、四国八十八か所の砂が敷き詰められていて、安置されている仏像を全てお参りすれば四国八十八か所をお参りしたのと同じご利益があるそう。その天井には無数の灯篭が吊り下げられていて、霊場に相応しい神秘的な空間になっています。
大聖院ってどんなお寺?
空海が806年に開山したと言われる大聖院は、広島県の宮島にあります。世界遺産の厳島神社で有名な宮島ですが、実はこの大聖院も大変歴史が深く、国宝に指定されているお寺でもあります。
霊火堂にある「きえずの火」は西暦806年に弘法大師(空海)が灯した火を現在まで絶えることなく、守り続けていると言われていて、広島平和記念の「ともしびの火」の元となっています。
大聖院へのアクセス
JR宮島フェリー「宮島桟敷」駅より徒歩25分ほど
宮島の島内には、乗り合いタクシーや、人力車、レンタサイクルなどがありますのでコンディションに合わせて活用するのもおすすめです。
大聖院 /Daisyoin
広島県廿日市市宮島町210
いかがでしたか?今回は、華やかな花の天井から、灯篭まで様々な天井をご紹介しました。気になったお寺があったらぜひ足を運んでみてくださいね。