京のお寺といえば、庭を眺めたり散策するのも楽しみのひとつですよね。室内から四季折々の庭を愛でるために、緻密に計算された窓も日本の特徴ではないでしょうか。今回は、そんな「窓」に焦点を当てて、素晴らしい窓があるお寺をご紹介します。
ハート型の窓で大人気・正寿院
正寿院 客殿の猪目窓
SNSで大人気のハート型の窓、これ実は猪目模様という日本の伝統的な形なのです。正寿院の窓はその中でも綺麗なハートの形をしているのが特徴です。
客殿には160枚の日本画が嵌め込まれた絵天井も圧巻の美しさ。
猪目窓
猪目模様とは、魔除け(火災など)として日本古来からある紋様で、ハート型やハートに良く似た形をしているのが特徴です。猪目模様は、窓の他にも神社や寺院の装飾に用いられているので、見つけてみるのも楽しいですね。
正寿院はどんなお寺?
境内に約2000個の風鈴が飾られ夏の風物詩として有名、風鈴寺としても有名でフォトジェニックなお寺として近年人気を集めていますが、実はその歴史は古く、1200年に創建されたと伝承されています。
正寿寺へのアクセス
JR宇治駅からバスで約40分「奥山田正寿院口」下車、徒歩15分程
正寿院 /Shojuin
京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
窓から枝垂桜を愛でる、高台寺
枝垂桜と花頭窓
「波心庭」を眺める花頭窓は、春になると見事な枝垂桜とその庭を眺めることができます。
花頭窓
鎌倉時代に禅宗様式とともに伝わった意匠。蠟燭の火のような突起を頂点になっているのが特徴。花頭という字は、元々は「火灯」と書いていたそうですが、木造建築の名称に「火」が入っているのは縁起が悪いため「花頭」となったそう。
高台寺ってどんなお寺?
1606年、北政所(ねね)が豊臣秀吉を弔うために建てたお寺です。
高台寺へのアクセス
京都市バス「清水道」から徒歩約7分
清水寺、八坂神社など京都随一の観光スポットの真ん中にある高台寺、二寧坂(二年坂)へ続く「ねねの道」も有名です。
高台寺 /Kodaiji
京都府京都市東山区高台寺下河原町526
絵画のように庭を愛でる、雲龍院
まるでアートギャラリー、蓮華の間「色紙の窓」
色紙の窓から庭を眺めると、まるで絵画のよう。四季折々で変化するのも楽しみですね。
色紙の窓
障子の一部に透明なガラスを入れて外の景色を見ることができるようにした窓。類似の様式では雪見障子が広く知られています。
悟りの窓
正円は悟りの境地や仏性を表しているそう
円窓
禅の悟りを意味する「円相」からきている。三千世界を表象するもの。萬福寺の円窓が有名。
雲龍院ってどんなお寺?
御寺泉湧寺の別院で、1372年創建。
雲龍院へのアクセス
JR/京阪「東福寺」駅から徒歩20分ほど
雲龍院 /Unryuin
京都府京都市東山区泉涌寺山内町36
静かな空間で竹林を眺める、竹の寺・地蔵院
地蔵院の猪目窓
美しい竹林や、秋には紅葉を眺めることができる。
地蔵院ってどんなお寺?
竹林の中にあり、別名「竹の寺」と呼ばれている。1367年、細川頼之が創建
地蔵院へのアクセス
京都バス/市バス「苔寺・すず虫寺」バス停から徒歩約3分
地蔵院(竹寺) /Jizouin
京都府京都市西京区山田北ノ町23
窓の前に凛と咲く蓮が美しい、行願寺
愛染堂の花頭窓
蓮で有名な行願寺。特徴的な花頭窓の前に咲く蓮の花は、とても美しく絵になります。
行願寺ってどんなお寺?
創建は1004年と歴史が古く、通称「革堂」と呼ばれている尼寺です。現在は地域猫の世話をしていて「猫の寺」としても有名です。
行願寺へのアクセス
市バス「河原丸太町」より徒歩3分ほど
地下鉄「丸太町」駅からは徒歩12分ほど。京都の街中、京都御所の近くにあるお寺です。
革堂行願寺 /Kakudau
京都府京都市中京区寺町通竹屋町上ル行願寺門前町