金峰山寺・熊野古道へ続く世界遺産のお寺

金峰山寺 奈良


2004年「紀伊山地の霊場と参詣道」として吉野・大峰、熊野三山、高野山がユネスコ世界遺産に登録されました。この吉野の霊場として世界遺産に登録されているのが、金峰山寺です。また、山頂にある経塚は藤原道長が造った日本最古の経塚で、大変貴重な経筒など歴史的な遺物が発掘されおり、その多くが国の重要文化財となっています。

金峰山寺は、1目千本と称される桜の名所、吉野山にあります

金峰山寺はいつ創建されたの?

7世紀後半に役小角が開山したと伝えられています。葛城山での修行を終えた役小角が、吉野山から更に深く入った大峰山修行で、修験道独自の本尊である蔵王権現を感得し、それを祀ったのが金峰山寺の起源と言われています。

3体の仏像からなる蔵王権現は、修験道独自の本尊。本堂の脇の高台には、蔵王権現が出現したという湧出岩が残されています。

役小角ってどんな人?
山岳信仰を中心とした修験道を確立した人物で、様々な逸話が伝承されている伝説的な存在ですが、その生涯は634~701年との説が有力です。その信仰を元に民衆のために尽力したせいで、朝廷と対立して島流しとなったこともあります。後に神変大菩薩とも呼ばれ、日本の宗教史において重要な一角を担っている人物でもあります。大英博物館には役小角の伝記を記した「ゑんの行者絵巻」が所蔵されています。

金峰山寺の見どころ

本堂である蔵王堂(国宝)

本堂である蔵王堂は、1592年に再建されとても大きな建築物で、なんと高さは34m!東大寺の大仏殿に次ぐ大きさです。

遠くからみると、どれだけ大きな建物かよくわかりますね

本尊である蔵王権現は、釈迦如来像・千手観音像・弥勒菩薩像の3体の仏像のことで、それぞれ過去世・現在世・未来世を表しているそう。本尊もとても大きく、一番大きな像は7mもあるそう。3体の本尊は秘仏なので普段は公開されていませんが、特別開帳などで観ることができます。

2024年10月12日から12月1日まで、世界遺産登録20周年の記念行事として開帳されています。

仁王門(国宝)

改修工事に入る前の仁王門

高さは23mの巨大な仁王門は、1456年に再建された本瓦葺の2階建ての楼門で、国宝に指定されています。金峰山寺では最古の建物。両脇には5mのこれまた巨大な仁王像が立っていて圧倒される楼門ですが、2018年から修復工事に入っていて現在は見ることができません。

2体の仁王像も国の重要文化財に指定されています。

修行体験

修験道の起源ともいえる吉野山にある金峰山寺では、5月から10月までの期間、月1回で修行体験を開催しています。修行体験は、日帰りまたは1泊2日の行程。山伏装束の行者と一緒に1000年以上前から続く修験を体験できる貴重な機会ですよ。

金峰山寺の公式ホームページから修行体験の予定などを確認できます

修験道とは?
役小角が開祖といわれ、日本古来の山岳信仰と仏教(密教)が融合し日本独自の宗教(信仰)となったのが修験道で、修験とは自然の中で修行(荒行)を行い悟りを得ることを意味しています。修験道の基本は、山林などの自然の中で修行し「野に伏し、山に伏し、我、神仏とともに在り」とすることから、修験者は山伏とも呼ばれています。

金峰山寺はどこにあるの?

金峰山寺は、千本桜で有名な吉野山の中腹にあります。日本有数の桜の名所なので、桜の時期は非常に込み合い大渋滞となりますのでご注意を。

公共交通機関を利用

近鉄吉野駅下車、ケーブルカーで「吉野山」駅まで登り、徒歩10分ほど

ケーブルカー「吉野山」駅

地図で確認

金峰山寺 /kinpusenji
住所:奈良県吉野郡吉野町吉野山2498
拝観については、お寺の公式ホームページをご確認ください。

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